墨付けと刻みをしているということで、加工場にかけつけました。
墨付けをしてるのは
大工の陽くんです。
墨付けは、
木材に加工をするための目印をつけることを言い、大工道具の差し金と墨壺を使います。
ちなみに、画像に映っているのは、
昔ながらの形の墨壷と
現代の墨壷
昔ながらの壷は味わいがあって、いかにも大工道具!という感じ。
線を引くだけでなく墨壷の池との墨を使って墨さしというへらを付けて記号や文字も書けます。
現代の墨壷は、コンパクトになって持ち運びもでき線付けの糸も自動巻きでとっても便利。
線を引くのに具合がいいです。
新旧使い分けてるみたいです。
墨付けは
どの柱や梁とつながるのか
繋がる位置はどこなのか
立体的に見て印をつけていきます。
この印をもとに刻み加工がされるので、
間違ってしまうと納まらずに大変なことになります。
建前がスムーズにできるかはこの作業で決まりますので
慎重かつ神経を使う肝心要の仕事です。
この墨付けは
現場の大工責任者棟梁のお仕事。
つまり
陽くんは、この現場の棟梁です。
墨付けの後は、刻み作業です。
墨付けされた木材を印にどおりに
継手や仕口に加工します。
ちなみに
継手・・・部材軸(同じ)方向に継ぐための加工やその接合部
仕口・・・方向の異なる部材を接合するための加工やその接合
こちらは刻みや建前などのときにお手伝いに来てくださる伊藤さんです。
刻みなどの作業が好きなのだそうです。
最初に電動丸鋸なのであたりをつけて
最後にのみを使って整形していました。
昔と違って大工職人さんも少ない中で
少ない量力で刻みができるというメリットがあります。
プレカットが主流の昨今、弊社も状況に応じて使用していますが、
それでも刻みの加工は納まりが違うと言います。
上の陽くんもそうですが、
使いやすいように大工道具が整然と置かれていて、
意識の高さを感じます。
中澤勝一建築は、大工を育成している工務店です。
木材を加工するという作業は
木を知る作業でもあります。
木の節や年輪の出方など、1本1本違う木材を扱うことで
木材の性質やくせなどを覚えていく。
どんなに便利な世の中になっても
大工の基本は受け継いでいかなければなりません。